木目金(もくめがね)

 

江戸時代に刀の鍔等の装飾に用いられていた日本独自の金属工芸技法です。

金・銀・銅・赤銅・四分一等の、金属の板 数十枚を交互に積層し、高温の

炎の中で鍛接し、金属の色の違いを利用した木目状の文様を創り出します。

 

私は当時の工芸品と同じ  ” 色金 ”  と呼ばれる赤銅(しゃくどう)、四分一(しぶいち)

などに代表される日本特有の色調を持つ金属を使用し、当時の雰囲気を再現しています。

木目金(銀・赤銅・四分一・純銅)のバレッタ。 

日本独自の金属のひとつ  ” 四分一 ”  を組み合わせた木目金。

銀と四分一の組み合わせはロウ付け時に崩れやすく神経を使います。

 

木目状模様の創り方のひとつ、これはドリル刃によるものです。 

一度の切削では、単調な年輪(みたいな)ですが2度、3度と繰り返すことで

複雑な文様を創り出せます。

 


 

 

色金(いろがね)のこと

 

四分一(しぶいち)

日本人独特の侘び、寂に適った銀灰色の色調は、

伝統的金属工芸ではすべての題材に用いられます

 

分の一に対して銅四分の三、それに僅かな金を加えた

日本独特の合金で、銀(ろうぎん・おぼろぎん)ともいいます。

鉄より硬く展延性が少ないので加工しにくいですが、

強度があり、刀装具の材料として好まれてきました。

 

赤銅(しゃくどう)

烏金(からすがね)とも言います。銅に3~5%の金を加えた合金で、

煮色した銅の表面に亜酸化銅の被膜ができるために黒色。

銅合金の配合により、発色が変わり、黒色から青みがかった黒色へと

変化し、烏の濡れ羽色と言われています。